行間をよむ

名前に価値があるのではない。言葉に価値があるのではない。

自分を守るための鎧なんか君には必要ないんだよ

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彼は他人のことは信じないと言っていた。そうしないと痛い目にあうんだって。言葉は嘘をつくから、と。

たくさん傷ついて辛い思いをしてきたんだろうな。それで自分を守るために辿り着いた解決策がきっとそこだったんだろう。だけどほんとはもう今の彼に、それは不必要なように思えた。次のステップに進むためには手放さなくてはいけない価値観。

人は痛い目にあうと、今後そうならないようにと鎧を纏う、自分の身を守るために。だけどそれは次第に古くなって錆びてきて、昔より重たく感じられるようになってくる。動きづらくなってくるのだ。

そんな重たくて邪魔な鎧なんか脱いでしまえばいい。最初はあまりの無防備さに不安になるかもしれない。だけど大丈夫、なんの問題もないことにすぐ気づくだろう。なにもなくたって昔みたいに自分が傷つかないことに。重たい鎧を日々纏うことであなたは自然と鍛えられ強くなっていたのだ。

自分を守ってくれてたはずの鎖は、いつの間にか重たくて、自由が効かない身動きを制限するだけの邪魔なガラクタになっていた。

 

脱げば楽になるのに、未だに不要になった鎧を纏ってる人のなんと多いことか。
必要なのは昔の自分とはちがう、成長した自分を信じるきもち。

 

ねぇ、どうして私たちは皆、お互いに兄弟みたいになれないのかしら?

どんな良い人でも何かしら他人には隠し事をして、自分の秘密を他人には言わないのは、なぜかしら?

どうして自分の心にあることをまっすぐに率直に言ってしまわないのかしら?

これじゃあ、誰もがまるで、実際の自分よりも手強そうな人間に見せかけようとしていて、自分の感情をあまりすぐに明かしてしまったら、それを傷つけることになるとでも恐れているみたいじゃない?… (「白夜」より)

 

白夜/おかしな人間の夢 (光文社古典新訳文庫)