行間をよむ

名前に価値があるのではない。言葉に価値があるのではない。

人生はつらい。だからこそ自分のために生きるべきだと思うのです。

「もっと普通になって」

「どうしてみんなみたいに出来ないの?」

頭のなかからそんな声がきこえてくるときがある。

それは小さい頃、何度も聞かされた言葉。

何度も何度も繰り返され、わたしに深く刻みこまれた言葉。

 

 わたしは普通なんてきらいだ。普通ほどつまらないものはないとおもってる。

だけどお母さんはわたしに普通になってほしかったみたい。

だから必死になってわたしを普通の型にはめようとした。普通になりなさい、普通がいちばんよ、って。形の違う穴に無理やり嵌められるのはもちろん辛くて、痛かった。

自分は間違ってるんだ、このままじゃ愛されないんだ。

そうおもうようになった。


あるときを境にわたしはすべてを受け入れた。

いや、諦めたといったほうが正しいのかもしれない。抵抗したり、理解してもらおうとあがくことに疲れてしまったんだ。そしてなにより愛されたかったんだとおもう。

期待される自分になろうと努力した。

だけど普通のふりをするのがうまくなればなるほど、
わたしは空っぽになっていった。

何が嘘で何がほんとなのか。
自分がなにをしたいのか、なにがすきなのかもわからなくて。

ふと気づいたら、自分がどこにもいなくなってた。
ほんとの自分をずっと隠していたせいで、どこに隠したのかさえ忘れてしまったんだ。

正直、あの頃の記憶はあんまりのこってない。

いつも夢の中にいるみたいにふわふわして、生きてる感じがしなくて、なにをしても虚しくてすべてがどうでもよかった。なのに「いつも楽しそうでいいよね」と周りの人は言うんだ。まるでピエロみたいだな、とぼんやりと思った記憶がある。

だけどわたしは生き返った。
止まっていた時間は動き始めたんだ。

紛れもなくわたしの人生はわたしのもので、誰かのために生きるのは間違っていると気づいたから。
もうわたしはわたしを見放さない。


それでもたまにね、声がきこえるんだ。

「どうしてふつうになれないの?」

わたしはまだ弱い。挫けそうになることもいっぱいある、だけどね、きっと強くなるよ。たくさん傷つくかもしれないけれどそれも仕方ない。

だってそれが生きるってことでしょ?

「ふつうになんかならなくていいんだよ」と、わたしのすべてを認めてくれた人がいた。ほんとに感謝してる。あの人がいなかったらきっと今のわたしはいない。

だからね、今度はわたしの番だとおもうんだ。

誰かの背中をおせる人になるためにも、わたしは強くなりたい。

あなたの心のなかで、消えそうになっているその小さな光を、どうか消さないでほしい。それはきっと最後の希望だとおもうから。

諦めないでほしい。

これ以上傷つきたくないかもしれない。
だけどどうか変化を恐れないで。

最初の一歩を踏み出すことができさえすれば、止まっていた時間はちゃんと動き出すから。